シードルでフッラフラ

黒澤麻子の酒場だョ!全員集合
クラフトサイダー専門の名店「Southhampton Arms」にて
 こんにちは。

 ここはソムリエNOBちゃんのページですので、彼女の得意範疇であるスペインのシドラについて語り合いたいものです。が、あたくしはまだシドラはかじる程度、いや、かじるというよりは飲むだけの程度。いやいや、飲むだけというよりは、シドレリアで飲んだくれ、ワイガヤやっているだけの状態。あまりその種類や地域ごとの違いなど、細かくはわからないのです。なので、シドラについてはプロにお任せするとして……。

 あたくしがかつて数年住み、その後も毎年顔を出しているロンドンでも、シドラ、もとい、サイダーは日常的に楽しまれています。

 そうです、シドラは、イギリスで言うところのサイダー。りんごのお酒ですね。スペインのシドラと作り方が一緒なのかどうかわかりませんが、同じりんごのお酒と言ってもその立ち位置や飲み口、楽しみ方は別物です。

 スペインのシドラが、ワインのようにボトル詰めにされ、バルでチャコリのように注がれているのに対し、イギリスで楽しむサイダーは、ビールのように小さめのボトルか缶に入って売られているか、またはパブでタップからいただけるものになります。

 多くの方が聞いたことがあるかもしれない有名なものは、「STRONGBOW(ストロングボウ)」でしょうか。タップから飲める典型的で一般的なサイダーです。日本のアイリッシュパブやブリティッシュパブでも楽しめます。薄い黄色で、シュワシュワ。スッキリと軽く、フレッシュでドライ。度数も5度程度、ついどんどん飲んじゃう。

 次に知られているのは、どれでしょうか、「BLUMERS(ブルマーズ)」か、同じものですが別名で販売されている「MAGNERS(マグナーズ)」かな。アイルランドのサイダーです。これはストロングボウよりもりんごっぽい香りや甘みが強く、口当たりがいいので、やはりついどんどん飲んじゃう。

 そして、近年人気なのが、クラフトサイダーです。グラフトビールと同じで、小さな工場で、オリジナルのレシピで作られているもの。それぞれに個性があり、そのぶん好き嫌いもあるかと思いますが、自分の好きなブランドを見つけると興奮します。しかしこれらクラフトサイダーは、度数も2、3度から15度くらいまでさまざまあって、どこに落とし穴があるかわかりません。なのでついつい飲んじゃう、のは危険。フッラフラになりますからね。

 飲み方ですが、ストロングボウやブルマーズ、マグナーズのような量販系のサイダーなら、まずは綺麗に管理されているパブ、もしくは人気があってどんどん新しい樽が入ってくるパブで、生で飲むのがいいでしょう。管理の悪いパブで飲むと臭みがあったりするのです。

 そしてパブのカウンターから中の冷蔵庫を覗いて、ボトルのサイダーを見つけたら、それを試してみるのもいいですな。どれが甘い? どっちのほうがドライ? のように聞けば、それにあったボトルを出してくれます。

ASPALLも人気のサイダーのひとつ

 ボトルサイダーは、真夏なら、氷を入れたグラスをもらって、そこに注ぎながら飲むのがあたくしは好きです。ちなみに、ストロングボウのような生のサイダーを頼むときには、ハーフパイントで注文し、パイントのグラスに氷を入れてもらって別にもらいます。パイントグラスにいっぱいの氷の上から、ハーフパイント量のサイダーを注ぐと、グラスいっぱいの冷たーいサイダーが出来上がるというわけです。

 クラフト系のサイダーを飲むときに、下手に氷を入れたり頼んだりすると嫌がられると思いますし、そもそも味がぶっ壊れることもあると思うので、おすすめしません。

 イギリスやアイルランド、スコットランドなどでは、どんなパブでもサイダーがありますが、クラフトサイダーだけを扱っているパブや、クラフトサイダー会社が経営している店などでいろいろと試してみるのはとても楽しいものです。クラフトサイダーめぐりの旅なんて、素敵ですなあ。いっそ街を出て、サイダーの産地をフラフラする、そして飲んだくれてフッラフラ。ああ、これは一度やってみようと思いますわ! 狙い目はサマセット州かと思われます。次回イギリスを訪れる際にはやってみようと思います。

ハーフパイントのサイダーを氷入りパイントグラスで飲む!
「Southampton Arms」 +44 7375 755539 
139 Highgate Road London NW5 1LE
Open Mon-Th 12-2330. Fri&Sat 12-0030. Sun 12-2300.